BIMライブラリ技術研究組合は、2019年度の設立において目標の一つとしてきた「BLCJ BIMオブジェクト標準Version2.0(略称:BLCJ標準Ver. 2.0)」を当ホームページで公開しました。
この成果は、多くの関係者の長年のご尽力と建築研究所からの官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)予算の支援によるものです。
BLCJ標準Ver. 2.0は、BIMの活用が拡大する中で課題となっている「円滑な情報伝達の実現」を目的として、BIMの属性情報の標準化を図ったものです。これは建築BIM推進会議の工程表でも目標の一つとして示されています。
この標準の主な特徴は、
- 英国NBSオブジェクト標準の構造を保持しつつ、日本のきめ細やかなものづくりの技術基準に対応していること。
- 実務者の視点から、設計・施工・製造段階の主要な情報を属性情報に取り込み、標準化することで、2025年度に予定されるBIMを用いた建築確認に関連する活動を支援すること、また公共建築工事標準仕様書等と用語の対応を図っていること。
- 分類コードは国内用のCI-NETコードとグローバルな対応を視野にISO12006-2に基づくUniclassを用いており、OmniClassとの対応も考慮していること。
- BLCJ標準Ver. 1.0の対象品目を拡大し、太陽光発電装置や建築確認に必要なダンパー等の設備機器等を加えていること。
標準を整理した範囲は、以下のとおりです。
分野 (段階) | 標準Ver. 2.0で対象とする部位・品目 |
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建築意匠 (S1-S4) | 窓、ドア、シャッター、トイレ(意匠について) (2024年度末までに床、壁、天井の標準Ver. 1.0を見直し、新たに空間を対象に加える予定) |
構造 (指定なし) | S造の柱・梁 、RC造の柱・梁、基礎、壁、床、場所打ち杭、既成杭、ベースプレート |
電気設備 (S2-S6) | 照明器具、高低圧配電盤 発電装置、盤類、防災器具、太陽光発電装置 |
機械設備 (S2-S6) | ボイラー、冷凍機、冷却塔、ポンプ、送風機、空気調和機、暖房機、全熱交換器、湯沸器、 衛生器具、給湯暖房機、パネル形水槽、キッチン、消火設備、バルブ、ダンパー |
その他 | エレベーター |
標準の整備において、用語等を共通化することで、設計・施工・製造等の建築生産プロセスでの情報伝達を、より正確に、よりスピーディーに、またミスの削減によって、生産性の向上を図れることと、BIMを中心とするデジタル化技術の開発も促進されることが大いに期待できます。
また同時に、BLCJ 標準Ver. 2.0を実装した試験用BIMライブラリサイトのデモ動画をホームページで公開します。併せてご覧ください。
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